米国でのシートの満足度調査でジョンソン・コントロールズとSATオートテクノロジーズの合弁会社アバンザー・インテリア・テクノロジーズが2年連続で首位となったことが米調査会社のJDパワー・アンド・アソシエーツの調べで明らかになった。
JDパワーは座席の品質や性能について100台当たりで、どれだけの問題点が指摘されたかを調査し、指数化した。今年2〜5月に7万3000人から回答を得た。同調査結果によると、首位のアバンザーは1.8ポイントと、業界平均の5.5ポイントの半分以下という評価を得た。アバンザーはトヨタ自動車のピックアップトラック「タンドラ」の座席を製造している。2位のセテックス(Setex)は2.9ポイント、3位の日本発条は4.0ポイントだった。
■不具合は少ないものの、満足度に課題
新車購入者のうち、シートに何らかの問題点があると回答した割合は6.2%となっており、外観の同13.1%やインストゥルメンタルパネルやディスプレーなどの同11.7%といったほかの部位と比べると問題点の指摘率は最も低い水準だった。しかし、座席への満足度は10点満点で7.8点となっており、外装や内装のそれぞれ8.4点と8.2点を下回っている。問題点には気づきにくいが、満足度は相対的に不十分な結果だった。
ただし、座席への満足度は自動車全体の満足度と相関関係にあり、座席の性能が「特に優秀」とした回答者の自動車全体への満足の平均が9.8点だったのに対し、座席を「優秀」または「受け入れられない」とした回答者の自動車全体の満足度はそれぞれ7.7点と6.1点にとどまっていることが分かった。
■7割が電動・腰部調整・温度調節に関心
座席への評価を高める要素としては、革張り仕様や設定記憶装置、温度調節機能などがある。特に電動シートと腰部座面の電動調整機能、温度調節機能については回答者の約7割が次に購入する車両では装備させたいとの意向を示した。
一方、問題点として最も多く指摘されたのは「ヘッドレストの調整の仕方が分かりにくい」というもので、3年連続で最多だった。米高速道路交通安全局(NHTSA)が2008年9月にムチ打ち症の予防を目的としてヘッドレストの高さの下限を引き上げ、乗員の後頭部とヘッドレストとの間の空間を狭めるよう求めたことが影響したとみられる。

情報源:(株)国際自動車ニュース
|