米系調査大手のJDパワー・アジア・パシフィックは11月30日、中国の商品性評価調査(APEAL)の結果を発表した。新車を買ったユーザーから、自身が購入した車両の外観や内装、走行性能などについて評価を求め、1000点満点で指数化したもので、点数が高いほど評価が高いことを示す。業界平均は825点となり、2010年度から17点の上昇となった。
同調査は、全国37都市で昨年10月から今年7月までに新車を購入した1万7479人からの回答を集計しており、155のモデルが調査対象となった。内外装や室内空間、座席、エアコン、操作性、エンジンとトランスミッション、安全性、娯楽など10のカテゴリーについて計82項目について調べた。
これらのカテゴリーのうち、中国人ユーザーが特に重視しているのは座席で、「自動車メーカーに改善してもらいたいこと」の上位10項目のうち、座席関連が5つを占めたとしている。座席に次いで重視しているのは内装と燃費性能とされた。
JDパワーはAPEAL調査について、初期品質調査(IQS)と対をなすものと位置付けている。IQSは新車購入後90 日間に顧客が経験した不具合といったマイナス面に焦点を当てるが、APEALでは魅力度という新車のプラスの面を調査する
■韓国車への評価が急上昇部門別ではフォルクスワーゲン(VW)が11部門中の4部門で首位となった一方、日本メーカーはホンダが2部門、トヨタが1部門の首位にとどまった。VWは特に中国で人気の高い中型セダンなどで首位を確保している。
また、今回は同調査を開始して以来で初めて現代自動車が部門別の首位に立った。韓国メーカーは業界平均の17点上昇を大きく上回り、平均して47点の上昇を記録。米国系の16点や欧州系の11点、中国自主ブランド系の12点、日系の5点を引き離している。
JDパワーが今年7月に発表した中国新車購入予定者調査(NVIS)でも、「欧州車の購入を予定している」と回答した消費者の割合が11年度には32%へ上昇。09年度の調査では25%だった。日本車は32%から27%、中国自主ブランド車は26%から20%へと低下している。
中国市場では欧州メーカーのブランド力が揺るがない一方で、韓国メーカーへの評価が上昇し、日本メーカーが停滞している状況が続いているようだ。

情報源:(株)国際自動車ニュース
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