自動車部品大手の仏ヴァレオは6日、電動スーパーチャージャー事業を買収することで英コントロールド・パワー・テクノロジーズ(CPT)と合意したと発表した。CPTの可変トルク制御システム事業部(VTES)をヴァレオのパワートレインシステムズ事業部に組み入れる。買収価額は公表していない。
CPTが開発した電動スーパーチャージャーはモーターを駆動させることでエンジンの出力やトルクを引き上げる。
排気ガスの圧力を利用する従来型のターボチャージャーに比べてレスポンスが速く、エンジンの回転数が低い状態でも効率的に稼動し、エンジンのサイズを縮小・軽量化する上でも有効だとしている。これらの特長はいずれもエンジンのダウンサイジング化に寄与することから、燃費性能の改善にもつながると強調した。
■業界初の意義を強調 ヴァレオは今回の買収により、電動スーパーチャージャーを自動車メーカーに供給する初の部品メーカーになったと主張。自社で開発したエネルギー回生システムと組み合わせることで、一種のハイブリッド装置のような役割を果たさせることも可能とした。同装置を実現した場合、燃費改善効果は従来比20%に達するとみている。
ヴァレオのジャック・アシェンブロッシュ最高経営責任者(CEO)は「今回の買収により、当社は二酸化炭素(CO2)排出削減技術の世界でユニークなポジションを占めることが可能になった」と指摘。
一方、CPTのニック・パスコーCEOは「ヴァレオとは3年間にわたり、協力して電動スーパーチャージャーの開発に取り組んできた。同システムの潜在性を引き出す上で、ヴァレオは最適な売却先だ」と述べた。
情報源:(株)国際自動車ニュース
|