ゼネラル・モーターズ(GM)は6日、インターネット上で自動車の購入手続きを進めることができるウェブサイトを全国化すると発表した。今年初めに一部の州で立ち上げたパイロットプログラムを拡大し、全国のディーラーからの参加を求めている。
ウェブサイトの名称は「ショップ・クリック・ドライブ」で、URLはhttp://shopclickdrive.com/ 。以前はミシガンやミネソタ、ウィスコンシンなど8州の100店に限定してサービスを提供していたが、今後は全国のディーラー4300店からの参加を求めていく。ディーラーが同サイトへの参加を決めた場合には顧客対応トレーニングなどを受講する必要がある。
同サイトでは、顧客が好みの車両を特定したうえで、オプションやアクセサリーの設定、見積書の閲覧、ディーラーによるインセンティブの比較、下取り価格情報の取得、利用可能なローンや保険商品の選択と申込書の提出、納車日の設定、店舗での引き取りか自宅への回送かの選択などが可能となっている。
ただし、契約書へのサインや決済といった部分についてはインターネット上ではなく、店舗への訪問かディーラー従業員による自宅への訪問などが必要になるもようだ。
■ディーラーのためのサイトと強調 GMで米国内販売担当バイスプレジデントを務めるクルト・マクニール氏は同サイトの意義について「オンライン・ショッピングの簡便さと近所のディーラー従業員によるサービスを結びつけていきたい」と説明。メーカーによる直販ではなく、ディーラーの便宜を図るためのサイトと位置付けた。
また、同サイトに参加しているミシガン州のディーラー担当者は「ショップ・クリック・ドライブは、ほかのメーカーにはない最新のデジタルサービスだ。新しい顧客と出会うためにも有効なツールになっている」と話す。
自動車のネット販売をめぐっては、雇用者数の多いディーラーでの販売を義務付けている州もあり、メーカーによる直販に対するディーラー側の抵抗も大きい。店舗での値引きやオプション付与など交渉での駆け引きが重視される従来の商慣行に反するとの見方もあり、新車のネット通販は中古車に比べて遅れを取っている。
■ディーラー間格差につながる懸念も
このため、GMはディーラーに利益をもたらすためのサイトと位置付け、任意に参加を求めながら慎重にネット通販を推進する方針とみられる。ただ、同サイト上で値引き幅やインセンティブ、下取り価格の店舗間比較が簡単にできるようになった場合、資金力の大きいディーラーばかりを利する懸念もあるようだ。
情報源:(株)国際自動車ニュース
|